「おい、お前1年なんだから髪型は坊主にしろ!」
そうして野球部の後輩にマウントをとることで尊敬を集めようとしている先輩はこう言った。
「なんでですか?」
素直に僕は聞いた。そうすると先輩は
「野球が上手くなるんだよ」
と、理想と現実のギャップという鋭いブーメランが額にぶっ刺さっていることに気付くことなく続けた。
もし、坊主にすることで野球が上手くなるのならあんたもするべきだし、プロ野球選手は皆坊主にしていることだろう。小学生の頃から続けている野球で色々な選手を見てきた。そして、中学生ながらその幼い頭脳で少ないサンプル数からガバガバ統計学を駆使した結果、髪型と野球の技術は明らかに相関が取れないような感じがした。しかし、議論をしたところでその突き刺さったブーメランがより深くめり込むことになることが容易に想像できたので、彼のためにも適当に無視した。坊主にしていないのは、同学年で僕一人だけだった。
そして、時が経ち20歳を超えたあたりで双極性障害という国家認定メンヘラになった。とにかく、健康になりたいと「観察=>仮説=>考察」のループをベイブレードのように高速に回していく中である思いに駆られた。
カミノケ、ジャマナカンジ、シマーーース
by チャンドラ・ボーズ・23世
「認知負荷」をいかに減らすかということに心血を注いできた。そのために極力人との関わりを減らした。1日、1週間、1か月などのサイクルで定期的に行うものはほぼ全てルーティーンへと変えワーキングメモリを圧迫しないようにし、1日ごとにTo-Doリストを作り基本的にそれを消化していくような生活を心がけた。
そして、そんな生活の元ふと心をよぎったのが
「髪の毛、、、邪魔だな」
という心の底から湧き上がる小さな声だった。僕は秒で坊主にした。なぜ、若いころ頑なに坊主にしたくなかったのかは分からない。ガバガバの理論で諭してくる先輩や、清潔感が大事だと宣う口からドブの臭いがする先生に反発したかったのかもしれない。ただ単に、モテたいという思いからかもしれない。今となっては分からないが、今は坊主にして本当に良かったと思う。
そんな僕が、心からお勧めする坊主のメリットが3つ
- お金の節約になる
- 認知負荷が下がる
- 状態の観察が容易になる
1.お金の節約になる
これは容易に想像が付くだろう。考えてみて欲しい。もし、1か月に1回3000円を使って1時間ほどの時間をかけ散髪を行ったとする。1年で換算すると、12か月で36000円。これなら3か月に1回、美女とのディナーに使用した方がはるかにマシだ。ただ、坊主にすることで女性が脱兎のごとく逃げていくということにも注意が必要だ。
2. 認知負荷が下がる
膝抱えてもなんもねえ ほら長い前髪で前が見えねえ
Looser by 米津玄師
右目をもっさりとした前髪で隠し、クネクネとセクシーダンスを踊る米津玄師を見て憧れを抱いた人も多いだろう。しかし、よく考えて欲しい、、、そう僕たちは 米津玄師 ではない。 米津玄師 から音楽的才能を差し引いたのが僕たち、つまり「生ごみ」だ。
「ああ、長い前髪で前が見えねえ」と思っている間、無駄な認知負荷が高まっている。メンヘラまっしぐらだ。この負のループを断ち切るのに一番いい方法は何か?そう、髪全体を剃り上げてサンプラザ中野くんになるしかない。流れる汗もそのままに走り、いつかたどり着いたらメンヘラとしての思いも君に打ち明けられるだろう。
3.状態の観察が容易になる
「海外留学で感じたんだけど、日本は陰湿だよね。いじめとかあるし」
とかドヤ顔で言ってくる大学生に感じたことはないだろうか、「コッコイツ、条件を揃えられないバカだ!わー逃げろ!馬鹿が移るぞ!」と。
そう、その点に関しては海外と日本というより大学生と小中学生の差が大きい。自分の時間軸がズレていることにも気付かず、このような言説を垂れ流している人は多い。このSNSが発達した世界においてあからさまなイジメを行うなんて余程の馬鹿か、全く需要のないブロガーくらいだろう。
話を戻すと、良い仮説を立てるには良い観察が必要であり、良い観察を行うためには条件を揃えなくてはいけない。長髪と短髪の期間がそれぞれあれば、それだけ条件が揃わず調子が悪いときの原因を追究するのが難しくなる。小さいと思うが、このレベルのことを積み上げることで「寛解」は達成されるのだ。メンヘラの道は険しい。
以上が坊主になることによるメリット3選だ。ちなみにもし、自分が双極性障害を患ってなかったら100%坊主にはしない。えなんでかって?だって
キモいじゃんw
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